【ビジネス全般】キリンビール高知支店の奇跡: 勝利の法則は現場で拾え! 田村潤

こんばんわ、読書くんです。今回は珍しく飲料メーカーについての一冊。

 

キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え! (講談社+α新書)

キリンビール高知支店の奇跡 勝利の法則は現場で拾え! (講談社+α新書)

 

 

【目標と現状のギャップを正しく理解する】
著者の田村氏は高知支店長就任6年後、県内トップシェアを奪回、V字回復させた人物。その後、四国、東海地区の営業本部長としてそれぞれの地域のシェアを反転させ、本社代表取締役副社長、営業本部長に就任。高知、四国、東海で学んだ「勝ち方」を全国で展開し、2009年、ついに全国でのキリンビールシェア首位奪回を果たした、という伝説中の伝説の人物。

 

「現場に本質がある」。著者は全てそこからスタートさせたといいます。
当時、高知支店は全国で最下位の支店でした。現場を見るために、年間270回以上の宴会に出席し、どんな銘柄を飲んでいるか、なぜそれを選んだかを徹底的に聞いたといいます。結局机上の空論で終わるのが一番駄目なんですよね。偉大な社長ほど、まず就任後は現場周り(工場周りとかも含む)を徹底するイメージです。現場を知り、戦略を考えたら、次は社員を変える番です。

 

高知での闘いは市場で勝つための闘いと営業マンを変えていくインナーの闘いがあったといいます。当時は宅配で瓶ビールを家に届けてもらうスタイルから値引きされた缶ビールを箱で買うというスタイルに変化していた時代。料飲店からはアサヒのセールスの方が一生懸命回っているという声をよく聞いたといいます。

 

負けている原因を聞き回るうちに、同じ高知県内でもシェアが高いエリアと低いエリアがあることに気づいたといいます。温泉施設にアサヒしか置いていなかったり、料飲店でのアサヒのシェアが高かったりする事実があったそうです。ビールは代表的な大衆嗜好品で限られた場所でなく、いわば面で飲まれている酒。ほとんどのお客様は味にはそれほど差がないと思っているため、情報の違いが売れるビールと売れないビールを分けると分析しました。

 

高知での敗因分析としては、アサヒスーパードライの勢いや男性的なイメージも消費者が好む傾向にあったと、生活習慣が量販店で買う缶ビールに移行しドライに移行しやすくなった。スーパードライが売れているから買う、アサヒがキリンを抜いたと報道があったから飲んでみる、周りがアサヒというからアサヒにする、など。つまりはやはりイメージ戦が如何に重要なのかということ。イメージ戦略や広告戦略っていうのは、IT化が進もうと変わらず大事な要素なんだろうな、と改めて感じるところです・

 

実際この後にキリンがどう逆転していったのか、が書かれていくのですが、それは実際に本書を手にとってみていただけると嬉しいなとw。課題を特定するためには、目標と現状のギャップを把握することが大事です。それを支店長自ら現場を駆け回り、現状を正しく把握できたことが大きかっただろうなと。大体の体育会系の支店長が、大した戦略も描けず、「営業をもっと頑張れ!」で終わっていたと思うんですよね。この時代にここまでの分析をアナログにやりきった執念を感じるパートでした。ぜひ手にとってみてください!どの時代もできる人は同じ能力を持っているんでしょうね。ではでは!