【一般教養】歴史とは何か E.H.カー

こんばんわ、読書くんです。今回は「歴史」そのものに関する一冊。

 

歴史とは何か (岩波新書)

歴史とは何か (岩波新書)

 

 

【歴史とは何か?】
著者はイギリスの歴史家、E.H.カー氏。ケンブリッジ大学を卒業後、1916年から1936年までイギリス外務省に勤務。退職後、ウェールズ大学アベリストウィス校(現在、英国立アベリストウィス大学)の国際関係論(国際政治学部)の学部長に就任した人物。

歴史的事実とは何か。すべての歴史家にとって、共通な基礎的事実があり、それが歴史のバックボーンになる、と著者は言います。

 

歴史的事実という地位は解釈の問題に依存します。この解釈という要素は、歴史上すべての事実の中に含まれています。あらゆる歴史的文書は、その文書の筆者が考えていた以上の事を知ることは出来ません。歴史家が文書の研究を行い、解読するまでは、何者も意味しないのです。

歴史とは、歴史家がその歴史を研究する思想が、歴史家の心の中に再現したもの。事実と解釈の対立が、歴史においてはいくつも見られる。

 

歴史とは何か?歴史家と事実との間の相互作用の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話であると。後半痺れますねえ。。。このフレーズは割と有名なものです。あくまで私達は解釈することしかできず、事実を100%正しく把握することはできないですからね。なんだかこういう指摘な言葉が出てくるのが、教養の差かなあと。

 

歴史というと素人目線でいうと過去の事実を発見しにいくだけの学問だろうと思いがちなのかなと。しかし至極自然に考えれば、事実を完璧に把握できるわけもない。だからこそ膨大な文献などを元に、仮説=解釈を加えていく必要がある。その仮説が事実に近いほど、歴史は変わっていき、人類の変遷が解き明かせることになる。

 

歴史とは、ある時代が他の時代のうちで注目に値すると考えたものの記録である。歴史家が自分の研究で用いる仮説は、科学者の仮説と似ている。私たちは一般化を通して歴史から学ぼうとする。

 

過去の光に照らして現在を学ぶという事は、現在の光に照らして過去を学ぶ事も意味する。相互関係を通して両者を更に深く理解する。

 

それに対していわゆる科学法則は、実は、傾向を言い表したものである。引力の法則、光の法則も、それを保証するものでない。同様に、歴史家も一般化せざるを得ないので、将来に対して指針は与える。しかし、特殊的なものを予言することは出来ない。あくまで傾向。ある物事があったときに、何が原因か?と聞かれた時の回答を出す事が、歴史家が職業的義務を感じるところ。ここが、歴史家の解釈が活きてくると。

 

すべての事実が歴史的事実ではない。歴史家による事実の選択、整理があって初めて歴史的事実になる。歴史は、実在に対する単に知的な態度ではなく、因果的な態度の選択的体系。歴史的に有意味な因果の連鎖を、多くの連鎖から取り出す。過去の意味を歴史外のものとあわせて、歴史を神学に変えたり、歴史を文学に変えたりする事ができる。

 

言い回し一つ一つが知的好奇心をくすぐってくる内容でした。。。ちょっと現実世界にいながらほわほわした感じになれる一冊wぜひ手にとって見てくれると嬉しいです!ではではー